ご挨拶

今日、わが国ではスポーツなどの身体運動が盛んに行われているにも関わらず、未だにその文化的価値、学問的価値が軽んぜられているように思われる。それ は、「体育は身体を鍛えるもの」という言葉に代表されるように、身体運動を単に体の問題として捉える傾向があるからである。このような西洋的心身2言論に 根ざした発想は、本来わが国にはなかったはずである。身体運動はまさに心身の統合によって実現されているのであり、長年の営みの中で高度な文化として醸成 されてきたのである。本学会は、このことを前提として、スポーツや武道、舞踊をはじめ人間の全ての身体活動を文化と捉え、学際的に研究することを目的とし ている。

また、研究にあたっては、特に若い研究者が中心になって頂き、柔軟な発想のもと、新たな知見に基づいた学説を打ち立てていくような挑戦的な態度で行ってほしいと考えており、それをサポートすることも本学会の使命と考えている。

最後に、身体運動の学際研究の体系化は非常に困難であり道半ばであるが、様々な分野の研究者や教育者、実践者が集うことが何よりも大切であると考えている。多くの方々の参加を希望する次第である。

身体運動文化学会 会長 二杉茂